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海外組

先日アメリカでサッカーをした。

と言っても今回は相手も見方も全員日本人で、いわゆる「現地日本人同士の交流」みたいなものに混ぜてもらってきたという程度の話だ。

でも、感じるものはあったなぁ、、、いろんな意味で。

簡単に集まったひとたちの説明をすると、
片方はサンフランシスコの社会人リーグに参加しているチームのひとたち。
もう片方はSunnyvaleというエリアの近辺で子どもにサッカーを教えているお父さんを中心とした人たちのチーム。

いずれも「日本の会社からアメリカ支社へ駐在中」「大学でアメリカに来てそのまま現地就職」「生まれがアメリカで一度日本に帰ったものもまたアメリカへ」「日本料理屋をやっているひとの息子」など立場は様々だ。
年代も、20代前半くらいのあからさまに若い(おれから見て)の人もいれば、いかにも『ベテラン』という40代中盤まで非常に幅広い。

しかし、おれと決定的に異なる彼らの共通項が普段から日常的にアメリカ人と一緒にサッカーをしているということ。
彼らのサッカー歴などを細かいところまで把握しているわけではないが、その『日常』は明らかに彼らのサッカースタイルに影響を及ぼしているように思えた。

えーと、いささかまどろっこしくなってしまったが、
要するに「あ、サッカーが違う(´д`;)」と衝撃を受けた。

感じた差異を率直に箇条書きにするとこうだ

・接触プレー大好き
・ヘディングの競り合い大好き
・球離れが速い

これってわりと容易に想像ができるのではないだろうか?
見事に日本人の弱みを言い当てられているような、そんなサッカーをみんな周りがする。
だからそれに対抗できるように彼らもそうなっていったんだろうな、とね。簡単に想像できる。


アメリカ人は身体が大きい。だからぶつかり合いを好む。
いや、日本人は身体が小さい。だからぶつかり合いはできればご遠慮したい。

とはいえそれに対抗できなければ負けてしまう。だから自然と身に付いていくわけだ。
球を蹴り、走って競り合い、ガチンコでショルダータックルし合い、もつれてコケてもケロッとしていられる肉体が。
身長が高かろうと低かろうと関係なく空中で身体をぶつけ合い、ヘディングするスピリットが。

これは一重に感心した。
おれは日本でも地域の社会人リーグでずっとプレーしてきたが、ぶつかり合いの強さだけを取れば明らかに地域の草サッカーのレベルではなかった。


一方、アメリカ人は足下があまり器用ではない。だからあまりボールを持たない。
しかし日本人は足下が器用だ。だから足下でボールをたくさん持ち、近い距離でボールを回すことで相手を翻弄できる。

うーん、これは忘れてしまったようだ。

サッカーというのは90分間相手に圧力をかけ続けることはまずできない。
つまりディフェンスのプレッシャーには速い時間帯と遅い時間帯があるのがしかるべきであって
相手のプレッシャーに合わせてプレーするのは愚かなことなのだ

簡単に言うと

相手のプレッシャーが速い
→ 危ない、ボールが取られそうだ
→ とりあえず怖いし安全のために遠くへボールを蹴る

という思考は愚の骨頂で、まさに相手の狙い通りだ。


そんなときはむしろ『走らせてやる』のが正解。

自分の隣の味方、さらにその隣、今度はまた自分に戻す、と近くでボールをつないでしまえば良い。

相手はどこまで追いかけるだろうか、次、その次、自分まで?
相手の他の選手はそのプレッシャーと連動するだろうか?
連動してきたらそのぶん誰か味方でフリーの選手ができるのでは?

そんな余裕を持って相手を見ながらボールを回すわけだ。
そのための練習は大抵我々はむかーしからやっている。なぜなら日本人はそれがけっこう得意だからね。

以前、中村俊輔がレッジーナに渡った頃を思い出す。
当時学生だったからほぼ全試合を生放送で観ていたなぁ。
レッジーナはご多分に漏れぬいわゆる典型的な下位チームで目標は当然『セリエA残留』だった。
日本人選手としてどうひいき目に見ても『屈強』の部類に入らない中村俊輔は苦戦した。
セリエAは特にテクニックよりもスピードと身体のぶつかり合いが重視されるリーグ。
通用しない部分を痛切に感じたのだろう。
身体を鍛えると同時にプレーの柔軟性が失われていった。
アイディアが固定化され陳腐になり、チームのカウンター戦術の枠の中にハマっていった。

その間、中村俊輔に目立った活躍は無かったと言ってよいだろう。

そしてその後スコットランドリーグのセルティックに渡ってから開花する。
特にチャンピオンズリーグでのあの2戦連続FKは忘れられない。(当然生放送で観た)

スコットランドリーグはセリエAなどの主要リーグに比べればかなり見劣りのするリーグで
最初に観た時に自分の中で「スコットランドキック」と名付けたインステップ(ロングボールとしては精度低い)で適当に前線に蹴り出すキックに象徴されるように『蹴って走る』サッカーだ。前述のアメリカの傾向にかなり近い。

そんな中でなんで中村俊輔は活躍できたかというと、当時のセルティックのチーム構成によるものだったように思える。
率直に言うとボールを持ちたがる選手が多かったからだ。
当然、当時監督だったストラカンの目指すサッカー、言うまでもなく世界的に高いクオリティを持つ名選手ロイ・キーンの存在なども大きいのだろうけど、とにかくおれにはマクギーディやマクマナスなどのボールを足下に収めるのが好きな選手が多かったことの方が中村俊輔には良い方に働いたんじゃないかなぁ、と思う。

ボールを持ちたがる選手が多いと攻撃に時間ができる。
単発ではなく攻撃に厚みを持たせることができる。
しかし当然その分「ボールを失わない技術」「最後を崩す個人技」が必要になるがそれを中村俊輔は持っていた。というか元々それって彼の得意な部分だった。

セリエAで弱味を消すことに必死になり、スコットランドで強味を思い出し、それによって得た成功だった。


おれは何でもサッカーで全てを語るのが大好きだ。
そしてココから得られる様々な示唆は自分の生活や仕事に大いに役立つのだと固く信じている。

差異を感じよう。それが自分の弱味や強味を自覚させてくれる。
そういう意味ではやたらむやみにでも違う環境に自分を置いてみることはそれだけで効果があるのではないか。
差異を感じよう。それには海外が格好の機会であることは言うまでもない。

そして弱味を潰し、強味を伸ばす。
もしくは弱味をカバーしきるだけの強味を育てる。
ここは個人の好みだ。

さて、そんなわけでおまけ。
今回しばらくアメリカに行って本格的に仕事を進める過程で感じた差異についても挙げてみよう。


・よくしゃべる
・話題が逸れ易い
・ミーティング好き
・握手をしてみるとみな手がゴツい

、、、うーん、まだ使えそうな使えなさそうなレベルだな。
2週間ではそんなものだろう。出張で仕事しているのとそう変わらないもんな。

まだまだこれからブラッシュアップが必要。
そして何かしらの『方向性』として醸成でき次第、その都度報告したい。

最後に、誰かがこんなことを言っていた。

「英語は別にしゃべれるけど、日本語に比べてパフォーマンスが確実に落ちるからあまり海外では働きたくない」

ケッコーケッコー、パフォーマンス低下で悔しい思いをするのも結構。
うちらの年代(30代)なんて社会人としてそこそこできるようになってなんとなく調子に乗ってる年代でもあるから
ここらでちょいと凹まされ、差を味わい、壁を見つけ、そして……

良い機会じゃないか。みな海外に出よう。


3 Comments to “海外組”

  1. Marie より:

    どうも。
    やたらむやみに違う環境に自分を置いてみたうちの一人です。

    すごく共感できる!
    育休中で、一歳の子供がいる立場だけど、なんとなく楽しそうだったし、絶対得るものがあるはずだと思ったから上海来ちゃいました(笑)

    英語すら通じないし、まだまだ汚い所もたくさんあるし、たまにおなかこわすけど、毎日楽しく暮らしてるよ。
    私も、もっともっと差異を感じて生きてみる!

  2. Pide より:

    イイね〜サッカーで語るの。
    わかりやすいねそういうのは。
    アメリカ人と仕事するときは話の上手さに巻き込まれないことだね。

    自分の考えをしっかり持つこと、それを、ゆっくりでも良いからきちんと会話で表現すること。焦るとろくなことないよ。環境がスピードを求めると思うけど、キーマンと思うことを会話とかメールでもしっかり共有しておくことに気を配ることで時間を稼ごう。日本的なアメリカの会社で働いてる僕の助言は最新の流行を行く会社では役立たないかもしれない。でも、知恵を絞ること、コレは日本人の強み、違いだからね。求められるレベルは僕より断然高い環境で大変かもだけど、それを続ければきっと何かが変わるはず!

    近いうちに会えるとイイね〜!

  3. Quintin より:

    Marie >
    子供いて行くのは覚悟いるよね!でもそれでより一層得るものは増えてると思うよ(^^

    「若いうちにやった方がいいな」と思うことがあったら、今やりなさい

    という当たり前ながら目から鱗の言葉があります。今やることで収穫も大きかろう!!

    Pide >
    アメリカ人は『自分を大きめに見せる』のが巧いと感じますね。
    そりゃそういう歴史でそういうトレーニングを積んできているんだからなぁ。。。日本人がんばらないと。
    言葉については全然ダメだって自覚があるので怖いもんなしですね。ガシガシ出してきますよ♪
    11月あたりにペブルビーチで!