Facebook上に書いたことなのだが、ブログ上にも追記転載しておく。
けっこー本質的な話なので時系列で消えていくメディアのみに記録しておくのはもったいない。

http://gigazine.net/news/20140205-super-successful-companies/
YコンビネーターのPartnerであるSam Altman氏が
彼の経験から挙げる成功した起業家たちの特徴、というやつだがなかなか的を得ている。
Sam Altman
http://en.wikipedia.org/wiki/Sam_Altman
彼はLooptのCEO&Founder。
Looptのオフィスはうちの妻お気に入りのインド料理屋の並びにあったなぁ、そう言えば。
さて、特に目を引いた項目を3つにカテゴリー分けして所感をフォローしたい。
<シリコンバレーで色々ひとを見て感心したこと>
01 商品やサービスの向上にモチベーションのほとんどを注ぐ
重箱の隅を突つくような検証や改善があとで差別化要因として活きてくることを知っている。
その際、『無神経』とも言えるほど他のことを考えない。
正直バランス感覚が崩壊する、と言って良い。
金、スケジュール、その他のプライオリティが劇的に下がって
クオリティという一点に神経を集中させる。
あと積み上げたものをチャラにすることを恐れない。
これは私が見たわけではないが有名な話だから挙げておくと
Steve JobsはMacbookの生産を出荷直前に止めたことがあるらしい。
理由は出来上がってきた最終品の外観が気に入らなかったそうだ。
「ウソ、だって先週の会議ではこの仕様でOKだって言ってたじゃん!」
って生産担当者が泣き叫んだかどうかは知らないが、出荷直前ということは
すでにもう数万台組み立ててあっただろうし、
後段の梱包、出荷、配送、販売、広報、etc. もろもろの準備は整っていたはずだ。
でも平気でそれをチャラにする。
理由は「良いものを世に出したい」それだけだ。
08 案外地味なスタートを切る
外から見るイメージでは急激に成功しているように見えるが、
実際はスタートは地味に徐々に広がっているし経営者がそれを選んでいる。
そのあとに爆発が来て有名になるわけだが大抵我々一般人が普段見るのはそこ以降だ。
その前のしょぼくてニュースにもなんにもならないひっそりとしたフェーズを
一足飛びに飛び越えようとする行為は後で痛い代償を払う、と。
スタートアップのやり方は千差万別だが、
シードファンディング → シリーズA → シリーズB ….
と段階的に投資を受けていくのが一般的だ。
シードの部分は自己資金だったり、インキュベーターに囲われてたり、
数名のエンジェル投資家からかき集めた金だったり、パターンはいくらでもあるが
いずれにせよ最初から「大手VCが入って大々的に!」というのは稀である。
まずはそこで結果を出す努力。
3人しか雇えない、あと半年で売上げを上げないと潰れる、
そういう華々しさのカケラも無い状態からみな這い上がってるということを忘れてはいけない。
また投資額がやたら大きくなることも良いことではないと賢い経営者は知っている。
単純にして最も大きなデメリットは
『大きなビジネス以外がやりにくくなる』ということだろう。
ひいてはビジネスプランが安全で消極的な方向へ触れかねない。
これはスタートアップの存在意義自体の崩壊になりかねない。
そして大金が入っているということはシェア配分が大きく動いているということである。
シェアの大きさは発言力の大きさの意味合いも持つのでその影響でビジネスの方向がブレかねない。
ま、正直使い道と金額がハッキリしていない限り経営者は投資を受けるべきではない。
本来人間はスヌーピーの言う
『YOU PLAY WITH THE CARDS YOU’RE DEALT..WHATEVER THAT MEANS』
であるべきなのだ。
<多分ほとんどのひとにとって耳が痛いだろうこと>
06 出費を抑さえる
15 派手なイベントや本質的ではない行事に時間を費やさない
これらはイメージの影響が大きい。
多くのひとはシリコンバレーのスタートアップと言えば派手なものを思い浮かべる。
みんなGoogleやFacebookの用なキレイで独創的なオフィスに勤めてて
しょっちゅうイベントを打って週に一度はオフィスで立食パーティーやって、、というような。
実際そういう会社もある。むしろけっこーたくさんある。
が、しかしアルトマン氏の指摘は
「大きな成功を残すひとはそういうことに時間と金を使っていない」と言っている。
そんな金があったら一個でも試作品を作り、そんな時間があったら一行でもコードを書け、と。
そのあとに色々なものが付いてくるのだ。
時系列を勘違いしてはいけない。
<客観的にここについては日本人の能力の平均値は高いな、と思った点>
13 優先順位付けが上手い
16 作業が速い
17 判断が速い
優先順位付けや処理スピードの速さ。これって日本人の得意技のような気がする。
特に優先順位と作業の速さ。『速くて正確』は強み。
また11の“Do thing that don’t scale”はひっかかったので
原文を読んでみたが要するに08に近い話だろう。
早期拡大を狙うのではなく地道に獲得したユーザーをひとりひとりを
きっちりハッピーにすることから始める意識が肝要だ、という戒めだ。
決してsmall businessをやれ、という意味ではなくて(^^;
好例はハーバード大学内のみで開始してその後全世界へと広がったFacebook、
最初はスタッフが足でユーザーを獲得したというAirbnbなど。
しかし当然賛否の両例があるのであくまで参照先のポールグラハムの意見ということだ。
Paul Graham
http://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Graham_(computer_programmer)
YコンビネーターのCo-Founder
一応典型的な反例を挙げておくとtumblrだ。
確かtumblrはCEOのDavid Karpがたまたま下請けの仕事がヒマだった2週間を使って
元からある資産でサービスを構築してみたら瞬く間にユーザーが数万人になってて
慌てて下請け会社を畳んでtumblrを立ち上げた。なんて事例も当然あることにはある。
<まとめると>
やはり最も大きなギャップであり重要なポイントは01、モチベーションの置き所なのだろう。
ビジネスに長けているようで、実は単なるものづくりバカ、サービス作りバカ、というのが
優秀なテックスタートアップの経営者たるものなのだと。
当然経営者にはいろんなタイプがいる。
ここでは「大きな成功を収めたテックスタートアップの経営者」という但し書きがつく。
そして地味に効くのが08。
外から見ると突然パッと成功したように見えるスタートアップも
非常に地道な努力の時期というのをコツコツと着実にこなした経験があるものだ。
そしてパッと成功した後も商品やサービスに費やすモチベーション(= 01)と
目の前の顧客を大事にするスタンス(= 08)がブレず、
加えて資金の突っ込みどころ(= 06)や時間の費やし方(= 15)の判断を間違えない、
そういうことなんじゃないだろうか。

