mixture-art@Q
技術+アイディア+世俗+なんとなく思ったこと、すべての融合がmixture-art
Rickie Lee Lambert(ランバート)の略歴をまとめる(スコットランド戦初代表初得点記念)
Categories: No Football No Life

先日イングランドvsスコットランドで代表初招集初出場初ゴールを記録した
期待の新星Rickie Lee Lambert(31歳)

イングランドプレミアリーグのサウサンプトン(日本代表DF吉田も所属する)のエースFWだ。

非常に興味深い選手なのでその略歴をまとめる。

リパプールというフットボールの歴史も戦歴も兼ね揃えた土地で育ち
16歳でプロ契約するも、そのチームは当時ディビジョン2(実質3部)のブラックプール
しかも翌年にはディビジョン3落ちする。(実質4部=ほぼアマチュアクラブ)

そしてそのしょぼいチームで3年間で出場3試合無得点
という非常にしょぼい成績でそのキャリアをスタートさせる。

そして2000年にはそのしょぼさによってブラックプールからは放出。

クビだ。(このときまだ18歳)

特別なキャリアも持たないランバートは故郷へ戻り、地元近くの工場で働きながら
契約無しでマクフィールズタウンというディビジョン3のチームの練習に参加する。

そして能力を見込まれチームに加入すると、
翌年の2001−2002シーズンに40試合10得点というまぁまぁの成績を残す。
とはいえ実質4部、日本でいうと地域リーグレベルでの出来事だ。(このとき20歳)

でも一応その結果を買われて(まだ若かったしね)一個上のリーグ、
ディビジョン2のストックポートカウンティに移籍する。
そこでも彼のキャリアは決して華々しくは進まない。

2003−2004シーズンは45試合出場13得点と十分な功績を残すが、
翌シーズンはわずか4得点とあからさまに苦戦。
あっさり再び下のリーグ、ロッチデールへと放出される。(このとき23歳)

でもひとたびリーグ2(この頃名称が変わった)に落ちればそこでは
2005−2006シーズンは50試合22得点と大暴れしキャリアを持ちかえす。
とはいえこれもまだまだプレミアにはほど遠い4部リーグでの話。

しかし思えば、ここから彼のキャリアは上り坂になった。

次に移籍したブリストルローバーズでは
2008−2009シーズンで48試合29得点をあげキャリア初の得点王に輝く。(このとき27歳)

そしてチームがリーグ1へ昇格すると、

その翌年、当時まだリーグ1にいた『サウサンプトン』に移籍することになる。

そうしてランバートのキャリアは開けていった。(とはいえこのときもう28歳)

2009−2010シーズンは2年連続の得点王になるとファン選出のリーグ最優秀選手賞受賞。

2010−2011シーズンでサウサンプトンはチャンピオンシップ(実質2部)へ昇格。
ランバートのキャリアはとうとう未知の領域へと突入する。(このとき29歳)

しかし翌2011−2012シーズン、
サウサンプトンはまるでチャンピオンシップを素通りするかのように
わずか1年でプレミアリーグ(1部)へと昇格。
ランバートは48試合31得点。当然得点王だ。
というか完全な『化け物』へと変容していった。(このとき30歳)

そして初のプレミアリーグ(未知の領域にもほどがある)にも
もはや化け物と化したランバートは全く屈さなかった。

強力なヘディングと身体の強さ、そして驚異的な決定力で
イングランド人としてはトップタイの38試合15ゴールを上げると
昇格したばかりの弱小チームを中位に導く原動力となった。

そして、31歳での代表初選出。

ついこの間まで3部リーグでちょっと活躍していた程度の選手が代表に。。。

さぞや緊張というかそれを通り越してむしろ『場違いさ』を感じたに違いない。

、、、普通の選手だったら。

しかしランバートは違う。
這い上がってきた男は図太さが違う。
途中出場するとコーナーキックから得意のヘディングで決勝点!!!


、、、、


さて、少し話は逸れるが、

サッカーの実力はしょぼいおれの周りにも真面目にプロを目指していた人間が何人かいる。
かなり良い線までいっていたやつもいる。
短い期間だがプロとしてプレーすることができたやつもいる。

しかし皆わずかに届かず、日の目を見ることはなく、
輝かしい戦績を残すことはできずに消えていった。

そんな話は世の中いくらでも転がっている。

もう10年以上前の話だが、一度学生の頃に色々な繋がりの縁があって

 若者寄せ集めチーム vs ヴェルディのOB

という試合をやったことがある。
何故かそんな状況におれも混ぜられたのだ。(まぁ「その手の友人」の関係でね)

ヴェルディの方は『OB』と言っても明らかに皆30歳そこそこ、
まだまだプレーできそうなメンバーばかりだ。
一方若者チームは「その友人」がツテで集めた連中で、
みなどこかの選抜だったり強豪大学のサッカー部だったりした。

結果は6−0で若者チームの勝ちだった。

(あれ?おれのミスで一点取られたような気がしないでもないが、、まぁ忘れたw)

圧倒的だった。

トラップが吸い付くように巧いやつもいたし、
長身のくせにめちゃくちゃボールタッチが柔らかいやつもいたし、
90分間、信じられないくらい走り回り続けるやつもいた。

でも、おれの知っている限りでは、皆、誰も、Jのステージにすら立てなかった。

その事実に驚愕せざるを得ない。

あんだけ巧かった、強かった、速かったあいつらでも、、、通用しない。

しかし、Jリーグの試合などを生で観ても、
『彼ら』とその舞台に立っている『彼ら』との明らかな差というのを見出すことは難しい。

すべては 実績 = キャリア なのだ。

ランバートの例を取ってもそうだが、彼のプレイスタイルの真骨頂である
身体の強さを活かしたキープ力やヘディングなどは、
彼がプレイヤーとして開花し始めた30前になって覚醒したようなものではないはずだ。
ずーっと昔から持っていた強みだったに違いない。

決定力もそうだ。
調子の波は当然あるだろうが、決定力は様々な要素の集合体であって
決して一朝一夕にしてなるものではない。

極端なことを言ってしまうと、
多分ランバートの個としての能力自体はキャリアが上り坂に入った27歳くらいの頃から、
いやひょっとしたらもっと前、ひょっとしたら彼のキャリアの始めの頃から、
ほとんど変わっていないんじゃないだろうか?

単に彼を取り巻く環境が変わり、一年一年の成果が彼のキャリアとして蓄積されただけで、
彼自身は何も変わっていないんじゃないだろうか?

彼自身がそう考えているフシがある。

「工場で働いていたあのときから、プロでやれるとは確信していた」

つまり何か劇的な成長が自分を大きく変えたわけではない、と。

言葉を変えると
3部リーグの得点王とイングランド代表のレギュラーにも大した差はない
ということではないだろうか?

もしそうだとしたら、おれは大いに同意したい。

客観的に見たら、プロで挫折した選手と依然トップでやり続けている選手の差は見出しにくい。
当然本人たちに聞いたら「いやぁ、そう言ったってやっぱハッキリと差があるもんだよ」
と言うだろうけど、そこは逆転可能な紙一重の差のように思えて仕方がない。

それは本人たちの努力だけではなく、ちょっとした環境の差、
縁、きっかけ、考え方、はたまた単なる運だったのかもしれない。

だから安易に現状を嘆く必要はないし、戦い続ければきっとどこかにチャンスがある。

圧倒的な、逆転不可能な差に見えても、
一生懸命取り組んでいる者同士ならそれは実は大した差ではない。

実績=キャリア

というあやふやな実体が「もう諦めちゃえよ」と誘惑してきているだけであって、

そこに隠された真実はこうだ、

世の中ほとんどの『差』は実は紙一重の差ばかりで、
諦めずにトライし続けれていれば、いつか逆転可能なものである

リッキーランバートを見ていると勇気づけられるのは、そういうことなのだ。

だから頑張って欲しい。W杯でぜひ彼の勇姿を見てみたい。


Tags: