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音楽配信、今そこに在るパラダイムシフト


タイトル通りに至極真面目なテーマだ。

先日こんな記事を見た

Digital Music によるポスト

Spotify Is Detrimental to Music Purchasing

要するにイギリスのレーベルが楽曲ダウンロード数を阻害しているから
定額制音楽配信サービスへの楽曲提供をやめる、という話だ

要約するとこんな調子だ。

Spotify等の配信サービスは、音楽購買行為を促進していない。むしろ有害だ。

現にデータを挙げると、、と後段ツラツラあるのだが要約しない。

作為の臭いがプンプンするからだ。

興味のある方だけ読んでくれ。途中で気分が悪くなるかもしれないけどw

さて、

まず簡単に

アメリカの音楽配信の現状

を示すと、

Spotify, Rdioが現在の『2大定額音楽配信サービス』と言って良いだろう。
# かなりSpotifyの勢力が強いとは思うが

具体的には両者とも月額$9.99で聴き放題ダウンロードし放題だ。

とはいえ『ダウンロード』というのはあくまで「ネット接続無しでも聴けますよ」
という機能であって、Spotify、Rdio等それぞれのアプリ上でしか聴くことはできない。
つまりファイルの実体は隠蔽されているわけだ。

したがって『他のPCへのコピーはできない』ということだ。

これは一見不便そうに聞こえるかもしれないが、
実際は1アカウントで複数台のPCやスマホに落とすことができるから
現実問題『違法なことをやろうとしない限り何も問題なく非常に快適』なのだ。

さて、

そんな定額音楽配信サービスだが、
「それらが楽曲販売自体を妨げている」というのがこの調査結果に基づく結論なのだが

率直に言ってこれはデータの取り方および見方に問題があるように思える

統計ものというのはいつの時代も作為的になりかねない。

ちゃんとした方法論を確立した学者さんはたくさんいるんだろうけど、
しかし実践が常に作為的なので、、、永遠に改善されることはない。

俗っぽく考えて、

『利益配分交渉のためのネタフリ』

ということならば理解できる。
こうやってレーベルはSpotify側を揺さぶって
「もっと分け前よこせ」と。
ありそうな話だ。

しかし、これを本気で言っているとしたら愚行に違いない。

なぜなら時代は変わっている。

利益の拾い方も変わってくるものだ。

レーベルに勤めている人間の苦労は私には残念ながらわからない。
「わかる」とか知ったかぶってもそれは不遜に他ならない。

なので潔くあくまで『ユーザー視点』からの「パラダイムシフト」についてしか語れないが、

語ろう。

パラダイムシフト

は誰かが意図的に起こすものではなく
いくつもの競業関係や外来的要素による変動などの複合体として形を成すものだ。

その大きなひとつの要素が『ユーザーの群体としての意志/選択』であることは言うまでもない。

「エンターテイメントは生活必需品ではない」

とはよく言われる。

そのぶん、ユーザーの意志を無視しては立ち行かない。

その1ユーザーとして私は非常にこれら定額音楽配信サービスに満足しているし、
実際そこに金を落としている

「金を落としている」

というのがポイントだ。

古きゆかしき音楽を聴くための配信型メディアというのがテレビやラジオなんかだと思うが
ここに我々は金を落としていない。

テレビ局に月々利用料は払っていないし、
ラジオをつけるたびにクレジットから引き落とされるようなことはない。

なぜならこれらメディアは古きゆかしき広告収入モデルだからだ。

スポンサーが金を局に払ってそれによって運営されている。

これは簡単に安定はもたらされるが、
非常に不透明で、恣意的で、定量的効果測定が困難だった。

そして、現在明らかにその価値を失う方向にある

一方、近年展開されているインターネットコンシューマサービス、というくくりで言えば
Spotify等のメディアも、Evernoteなどのユーティリティもそれらの多くが広告モデルを取り入れている。

しかし彼らの収入源のメインは『有料会員の月使用料』だという。

意外な感じがするかもしれないが事実だ。
まぁ、広告モデル一辺倒のところもあるかもしれないが、それは今後数年で難しくなってくるだろう。

なぜなら、

例えばFacebookなんかは現時点では広告モデルを『モバイル』では使用していない。
これはケータイでFacebookにログインした時に広告は表示されないことでわかる。

それのどこに問題があるかというと、

今後、市場ではPCは徐々に淘汰され、タブレット、スマートフォンが主要なデバイスになる見通しだ。
つまり表示領域が限られた空間内でいかにユーザーに納得のいく広告表示方式を展開するか
というのは、非常に重要な課題になると言われている。

ちなみにこの問題はFacebookが上場した際にはこの問題点が指摘されて
『今後モバイルでの広告モデルも押し進める』という発言するに留まっている。

Facebookは広告収入がメインだからね。いやぁ大変だ。

しかし、SpotifyやRdioなどは有料会員からの収入をキッチリと取っている。

これは非常に喜ばしいことだし、未来は明るい。

私は実際おっさんに片足突っ込んでいるお年頃なので、
もはや中学高校の頃と違って学校の帰りに必ずCDショップに寄って2時間も3時間もかけて物色したり
クラスで友人とCDを回して聴き合ったりすることは無い。

カウントダウンTVを最初から最後まで観ることはないし
MTVを観るために有料チャンネルに登録したりしない。そもそもテレビを観る時間などほとんどない。

でも、
ベビーのお守りの合間にSpotifyで最近の音楽動向をチェックしたり、
通勤電車内でRdioのリンクを辿りながら新たなお気に入りを探してみようという気にはなる。
友人のSNSでのポストから「へー、これいいじゃんSpotifyで落としとこ」となることはある。

明らかな優位性、柔軟性、連続性、非拘束性がここにはある。

しかし、一番悲しい時というのは、

これらサービスに『お目当てのアーティストがいない時』だ。

これは非常に悲しい。

こんないいサービス、なぜ乗ってきてくれないのか。

そう思ってAmazonでCDをポチッとするかと言われるとしない。

この現象と心理が前述の引用記事によると

「Spotify等の配信サービスが楽曲販売の阻害をしている」

と結論付けられるのだ。

最近日本では違法ダウンロードを摘発するための法律が施行されたが
その結果CDの売り上げは上がっていない、という指摘をあちらこちらで見かける。

時代は変わっている。

多くのひとは気付いていて、気付いていないひとの方が遥かに少数なのだ。

楽曲の収益化の将来

は今後これら配信サービスの良否にかかっているし、
そのためにもレーベルとこれら配信サービス会社の間で
ぜひとも良い話し合いがなされて音楽業界全体が乗ってきてくれることを切に願う。

現に、日本でこれらサービスは今日時点では展開されていない。
黒船来航は目の前に来ている。いつまでも鎖国を決め込むことができるものか。

ユーザー(一般庶民)に益があるものが正義なのだから。。。

しかし、

最後にひとつ断っておきたいが、

私は音楽が大好きで、ミュージシャンたちをリスペクトし、

自分もたまに演奏し、音楽の楽しさを噛み締め、

最近はあまり行けなくなったがライブハウスや野外フェスに行くのが好きだ。

その際のアーティストへの収益構造とその多寡については
十分に憂いを覚えており、

何かしら、

自らの知恵や技術を使ってアプローチができないものかと考えている。

そんなスタンスである。



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