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貴志祐介2連発「悪の教典」→「ダークゾーン」とりあえず「悪の教典」から(ネタバレ有り)
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映画の公開というタイミングで原作を読んだ。

貴志祐介は特別好きという作家ではなかったが
当然ミステリー/ホラーのビッグネームとして本屋では頻繁にみかけるし何度か手に取ったこともある。

今回読んだ「悪の教典」も実は一度本屋の店頭で手に取って、触りを読んで、
結局購入しなかった覚えがある。

実は別ポストで詳述しようと思っている「ダークゾーン」もそうだった。

そんなカンジで何かと縁が繋がらなかった貴志祐介と今回ほぼ初めての接点ができた。

やっぱ映画化ってでかいなぁ、と改めて思う。

とはいえそれもこれもAmazon Kindleアプリのおかげだ。
アメリカにいながら日本のアカウントがあれば日本の本を普通の価格で読める。ありがたいね。

# ちなみにアメリカにも紀伊国屋とかがあって日本の本は買えるが
# ご想像のとおり高い。どれも定価に対して1.5倍〜2倍の値段がする。CRAZYだ。

さて内容の方だが、良かった点、イマイチな点を挙げながら触れていく。

<良かった点>


伏線を小まめに回収するテンポの良さ

前半は主に「案外がんばってる教師ハスミン」が描かれるが、
その過程で細かい謎や伏線、思わせぶりなフリ
などを入れて、その都度細かくそれらを回収していく。

なので簡単に言うと飽きさせない

悪の教典の売りとおおまかなストーリーはすでに周知のものになっているわけだから
読者は「まだかまだか」と後半のスプラッタホラーな展開を待ち受ける。

しかし即そんな本番に突入するようでは人物の背景描写に欠ける。

よくある『しょっちゅう過去の回想にいくテンポの悪い小説』になってしまう。

そこをきっちり避けて、そして読者を飽きさせない。

後半は後半で過去の殺人やその含みでまたテンポを作る。

そこら辺は『エンタメ』を意識した書き方になっていて非常に楽しませてもらえる。

・蓮実が大量殺人に踏み切る説得性をきっちり用意できた

理性的で計算高く、特に殺人衝動などはない人間が、
どう大量殺人に踏み切るのか、というプロセスを描ききれるのかが最大の興味だったのだが
その点については十分な説明があったと感じた。

私は単純に

「それ自体が元々の目的だった」

というような縦軸があってそれに向けて導入するのかなぁと思いながら読んでいたが
最終的にはそういうことではなく、

『しょうがなく』

でも

『動転して』

でも

『引き返せなくなって』

でもなく

最善の判断であるという自負』と『やりきれるという自信

によって行うというなんとも背筋のぞっとする話に出来上がっている。

「いやぁ、そうくるとは」と唸らされたね。


・細かい豆知識

貴志祐介の「青の炎」がマンガになっているのを読んだことがあるが、
この作品内でも無駄に思えるほど細かい技術的な知識がきっちりフォローされていた。

貴志祐介の作風なのかもしれないが、こういうのって引き込まれるよね。

ディテールとフィクションのアンバランスさが人間は好きなのかもな。

<イマイチだった点>


・オチが若干見え見え

まぁこれはある程度仕方のないことだが(こういうオチの持っていき方しかないと思う)
残念ながらオチは結構早い段階で読めた。

でも、

読んでしまうんだ。

これは逆に素晴らしい点と言い換えれるかもしれない。

大オチは読めていても読んじゃうなんてね。
つまりはこの作品は推理小説ではなくてホワー小説だ、ってことだ。

・表紙にもなっているカラスのモチーフがさほど重要ではない

まぁさして憤慨するほどの話でもないんだけど、

「何か、最後の方で重要な絡みはないのかなぁ、、、」

と残念に思った。

・美術教師が相方に蓮実が危険だということを告げてなかった不自然

これは相方(男子生徒の方)がかなり最後の方まで残っていたのを『前フリ』と察知し、

「間違いなく、コレは何かあるだろう。。。」

と期待していたんだけど

、、、、結局、何もなく終了。

蓼沼は「何しにきたの?」と突っ込みたくなるほどあっさりやられたり

空手教師アーチェリーが最大の敵だったところとか

そこら辺はイマイチ消化不良だった。
もっと話盛り上げれたんじゃないかなぁ、と思う。


さて、

とはいえひじょーに楽しめた。

トータルで貴志祐介という作家に興味を持ってしまった私は
そのままぶっ続けで彼の「ダークゾーン」を読むことにした。

それはまた別のポストで。



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