mixture-art@Q
技術+アイディア+世俗+なんとなく思ったこと、すべての融合がmixture-art
貴志祐介2連発「悪の教典」→「ダークゾーン」第二弾は「ダークゾーン」(ネタバレ有り)
Categories: オハナシ

貴志祐介連投。

悪の教典映画化に伴い今までまったく読んでいなかった貴志祐介を読んだ。

『ホラー』というべきか『エンタメ』とするべきか。
少なくとも『ミステリー』ではない、そんな独特の作風に惹かれて
ただ無作為に次は『ダークゾーン』を読んでみた。

前回のブログポストにも書いたが両方とも

「以前に本屋で手に取ったけど購入しなかった作品」

である。

何がそうさせたのかなぁ、なんてことを考えると
やはりそれは

『取っ付きにくさ』

があるような気がする。

ちょっと話の流れ上まず先に

マイナスだった点

について書こう。

悪の教典のイントロは、
蓮実の意識カラスに乗り移り家に辿り着くところまで、いや夢だろうか、、、
みたいな形で
まぁ映像化を行うとしたらオープニングには良いのかもしれないが正直ツカミとしては弱い

一方、ダークゾーンは
イントロからいきなり『第一局』が始まる。
これはツカミとしては良いのだが、少々突飛な展開過ぎてついていけない読者はついていけない。

「え?何、ファンタジーノベル
 貴志祐介ってそういう作風の人なの?」

と、私は思って本を平積みの一番上に置いた。

不思議なものだが内容的にはあれだけ魅せる貴志祐介がイントロに対する『配慮』はイマイチだ。
まぁ、でも大概の作品はそんなものだろうか。

いつぞやの『このミス』大賞を受賞した「完全なる首長竜の一日」
イントロ読んで萎えて結局買わなかった覚えがある。
読んだ人、面白かった?

イントロという意味では以前読んだ
「死亡フラグが立ちました」は面白かった。

本の帯の部分に

「最初の17ページだけでも読んで下さい!
 それで面白くなかった本を置いて下さい!」

というような趣旨のことが書いてあった。

実際冒頭のバカバカしい展開で作品の特徴と導入がうまい具合に引き込まれて
購入&即読了した。

さて、話を戻すと、
最初は面食らうのだがちょっと読み進めていくことで徐々に『話の流れ』に乗れる。

良かった点

だが、

章ごとに挟む回想で背景の内容もカバーされていく。
この回想がのちのち聞いてくるスパイスなのが面白い。

以前読んだ貫井徳郎『愚行録』のような斜述トリックだが
冒頭でも指摘したように貴志祐介の作風は『エンタメ』だと思う。
なのでここではあくまでスパイス程度だ。でも良い効き具合。

そして

非常に良かった点

とにかくゲームの作りやルール、仕組みが詳細で、
「どっかでカードゲーム化したら?」と思えるほどだ。
貴志祐介というのはそういうメディアミックスをとても意識できている作家なのかもしれない。

悪の教典の対比として非常に対照的だったのが
主人公が割と普通なこと
当然棋士として奨励会で三段までいってその後ほにゃらら、、とそれなりに激動だが
エンタメ小説で主役を張れるほどの『特異性』は皆無と言って良いと思う。

それでも話がもつ。

エラそうな思考で戦略を立てて、あっさりと裏をかかれたり、
相手の戦略に後手後手になりながら最後のあがきもダメで敗れる姿、
そんなのをヒューマンドラマではなくエンタメとして見せれる手腕に感服する。

あと見過ごすことのできない、

自分の中の潜在的欲望を確認させられた点

があった。

本文内には至る所に、
『炎』『毒霧』『テレパシー』『六芒星』『昇格』『変形』etc.

ぶっちゃけ三十路も越えたおっさんが食い入って読むものではない単語が並んでいる。
しかしそれらにはどこか懐かしさとがある。

魅入ってしまう熱が。。。

いや、少々まどろっこしい書き方になったが、

いわゆる厨二(中2)要素なのだ。

さすがに「ルフィナルトが戦ったらどっちが勝つか?」なんて真面目に議論はできない。

雨上がりに傘を振り回しながら「卍解!」とはボソッとですら言えない。

でも、そんな気持ちはどこかにあるんだろうなぁ。。。男は永遠に少年よね。


そんなちょっと突飛なエンタメ小説

きっと楽しめると思う。



mixture-art@Q トップへ戻る

関連記事

西尾維新/悲鳴伝 の良いところを書こう(ネタバレだらけ)
実は西尾維新を読む
貴志祐介2連発「悪の教典」→「ダークゾーン」とりあえず「悪の教典」から(ネタバレ有り)
看護師の妻 シックスセンス 「インシテミル」編 (ネタバレ多数)
貫井徳郎 『愚行録』
Kindleでどうぞ「バウンディング・フェイト」「./account_murder_case」

【送料無料】ダークゾーン [ 貴志祐介 ]

【送料無料】ダークゾーン [ 貴志祐介 ]
価格:1,260円(税込、送料別)

【送料無料】愚行録 [ 貫井徳郎 ]

【送料無料】愚行録 [ 貫井徳郎 ]
価格:735円(税込、送料別)