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実は西尾維新を読む
Categories: オハナシ


常にごく稀な周期で

西尾維新

の作品を読む。

飛行機での移動の際、たまたま時間が確保できた週末、etc.

「西尾維新?」ってなる人もめだかボックスの原作者」と言えば分かるかもしれない。

基本的に読んでいるのは

『戯言使いシリーズ』

だ。

物語シリーズ『化物語』から読みはじめてはみたものも

なんかしっくりこなくてそれ以降読んでいない。

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戯言使いシリーズ
主人公の『僕』が事件に巻き込まれてそれを推理したり解決したりしなかったりするその過程でバトルがちょっと入ったりするエンタメ作品だ。

ちょっと読んだやつを挙げようかな、と思うんだが、

まだまだあるのだが、疲れた。。。

まぁこういうカンジのラインナップ、色調だ。

これは作者の西尾維新がハタチそこそこの時に異常なペースで出版された全9巻のシリーズ。
ちゃんと推理があり、トリックがあり、キャラの造り込みも縦軸の因縁もある作品群を、わずか3年余りのあいだにダーッと書いてることにビックリする。

どこかのインタビューで本人が言っていたが、
構想に一週間くらい、
一日に100ページくらいのペースで書いて(つまり4-6日ぐらいで書き終えて)
そのあと直しを10日くらい。
つまり一ヶ月に少なくとも一作品は作れる計算なのだ。

これはハッキリ言ってすごい


上記のとおり西尾維新は速筆家としても有名だ。

しかし「それは彼の『書き口』によるところが大きい」なんて陰口とも取れる指摘はチラホラ見かける。

私見だが、彼の語り口はとても乱暴で陰険で勢いがある。

また細かい思慮は排除して『活き活きとした』風合いを大事にしているようにも見える。

悪い言い方に転じれば「勢いで適当に書いているように見える」というのがまぁよくある彼に対する批判だ。

暗い、言葉が悪い、キモい、なんか怖い、と。

逆に私はそこが大好きだ。

考えてみれば、物語シリーズが読み滞っているのはその勢いをあまりカンジないからだ。

私の知ったことではないのだか彼は「ライトノベル作者」にカテゴライズされるらしく、

それらしく、ラノベ作者らしく力点を置いた結果が物語シリーズには出ている。

しかし、彼らしい語り口が随所に見れるからそれはそれでいい。

そしてこれらでの成功が彼の立場を押し上げていることは明白なので

それはまぁ文句はあるが戦略的には否定できない。

まぁ、いいんじゃねぇの?だ。


さて、

戯言

の方に話を戻すと、

戯れ言使いこと『僕』は、かなりの部分で作者西尾維新の生き写しなのではないかと思っている。

悟りきったような態度で実は未熟。

人と関わるのを極端に嫌っているようでどこか寂しげ。

トラブルがあっては根本原因を自分自身に帰結し自己嫌悪に陥る。

ここら辺の負の要素はまさに作者の深淵のコピーなんじゃないかと勝手にイメージしている。

それに若干のヒーロー性を小さじ一杯。

ズバッと推理してみたり、実は過去に何かを抱えていたり、バトルに勝ってみたり、

そんなものを盛りつけて出しているのだ。

これはテクニックとしては非常に上手いと思う。

巧みに見せ場を作り、バックグラウンドでは確固たるテーマを控えさせる。

そういう意味で複数の側面での読み応えを持っている彼の作品はやはり秀逸なのだと思う。

なお、今回西尾維新のことでも書こうと思ったのは以下のマンガを読んだからだ。

これは戯れ言シリーズでも出てくるキャラクターから派生したサイドストーリーというところ。

めだかボックス

もそうだが、彼の作品はメディアミックスに相性が良い

当然狙ってるんだろうけど。

似たようにカテゴライズされる作者で冲方丁とかも挙げられるかもしれないが、

暗さ、とか

無駄に論理をこねくり回す自己葛藤、とか

盛り込まれている要素として西尾維新の方が多様性に富んでいるように私には思える。

いずれ(というか既に?)彼は押しも押されぬ『原作者』の仲間入りを果たすのだろう。

しかし、私は原作者としての彼ではなく、小説家としての彼の方が好きだ。

現在の彼の立場がなかなかそれを自由にさせるとは思えないが、ちょっぴり期待しながらソレを享受する機会を待つとしよう。

暗くて、陰険で、取り留めもなく、自己嫌悪でたっぷりな彼の作品を。



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コメント

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