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カーボベルデ(Cape Verde)
Categories: No Football No Life

『カーボベルデ共和国』

という名前を聞いたことがない人は多いと思う。

かくいう私もこのニュースで国名を知ったクチだ。
カボベルデ勝利取り消され最終予選進めず

http://www.nikkansports.com/soccer/world/news/f-sc-tp3-20130912-1188330.html

サッカーW杯予選でグループB首位につけていたカーボベルデが、
出場停止中の選手が試合に出場していたため勝ち点を取り消され
最終予選を目の前に敗退することになった、と。

ちなみにWikipediaでカーボベルデを調べるとこんなカンジ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%87

過去ポルトガル領で数十年前に独立した。

ご覧のとおりアフリカ大陸の西に浮かぶちっちゃな島国だ

人口は50万人(片田舎の賑わっている都市程度)
面積は4000キロ平方メートル(埼玉県と同じくらい)

サッカーに関して言うと、当然W杯出場経験もないし、
アフリカネイションズカップ(こっちでいうアジアカップ)に出場したのも一回だけだ。

しかし実はFIFAランキングの最高は36位で現在37位の日本よりも一個上の国だ。
http://fifaranking.net/ranking/

まぁ元々FIFAランキングって実体を反映してなくて若干形骸化してきているものだったがね。
未だにギリシャが11位だったりとか(しばらくW杯もなんも出てないよな。。)
コロンビアが唐突に3位だったりとか(ブラジル、アルゼンチンより上?)

とはいえカーボベルデの順位が高いのには一応わけがある。
というのもその一回だけ出場したアフリカネイションズカップで
初出場でベスト8に入ったからだ。

カーボベルデサッカー協会のホームページにもこんな記事がある。
(ポルトガル語からの翻訳はGoogleさま)


THE BEST POSITION EVER IN THE FIFA RANKING
CAPE VERDE IS AHEAD OF TEAMS LIKE JAPAN, SERBIA, BULGARIA, AUSTRIA, COSTA RICA, SLOVENIA, PARAGUAY, AMONG OTHERS.

http://www.fcf.cv/pt/index.php/seleccoes/ranking-fifa

fifa_ranking

Cape Verde rose thirteen places in the ranking of the best teams in the world and occupies a creditable 36. Place.
The Blue Sharks are the sixth best African team and worldwide are ahead of teams like Japan, Serbia, Bulgaria, Austria, Costa Rica, Slovenia, Paraguay, among others.


しっかり
日本、セルビア、ブルガリア、オーストラリア、コスタリカ、スロベニア、パラグアイなどに競り勝ちました!」
と日本はダシに使われております。笑

ポルトガル領だったこともあり、多くの選手はポルトガルでデビューし、
その後ヨーロッパの様々な国でプレーするようだ。

ちなみにこんな選手を発見。
ライアンメンデス、フランスの強豪リールでプレーしているらしい。
23歳と若い。有望な選手だ。
http://www.fcf.cv/pt/index.php/seleccoes/tubaroes-azuis/galeria-dos-tubaroes/23-ryan-mendes

試合を見たことはないけど、実際ここ最近けっこー力をつけてきている国なのかもね。


さて、

ニュースの件に話を戻すと、
アフリカサッカー協会のホームページにはこうある。


Cape Verde sanctioned; Tunisia through to final FIFA World Cup qualifying round
http://www.cafonline.com/competition/world-cup_2014/news/17923-cape-verde-sanctioned-tunisia-through-to-final-fifa-world-cup-qualifying-round.html

The sanction relates to the Cape Verde player Fernando Varela failing to serve the full four-match suspension imposed on him after receiving a red card for unsporting conduct towards a match official during a FIFA World Cup™ qualifier on 24 March 2013.


直訳すると
「今回の制裁はカーボベルデのフェルナンド・バレラが
3月24日のW杯予選で非スポーツマンシップ行為で4試合の出場停止処分にあったことと関連する」
とある。

つまりその出場停止中のはずのフェルナンド・バレラがチュニジア戦に出場したと。
フェルナンド・バレラ
ルーマニアの名門ステアウアブカレスト(CLにも数年に一度出場するレベル)に
移籍したばかりの選手だ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Fernando_Varela

ここにあるアフリカ予選の試合日程からすると、
http://www.cafonline.com/competition/world-cup_2014/fixtures

彼が出場停止になってからチュニジア戦は3戦目だ。

3戦目?

うっかり間違えたとは思えない。
もうあと2試合も出場停止が残っているのに。

そして、チュニジア戦のメンバーにはこのとおり
http://www.fifa.com/worldcup/preliminaries/africa/matches/round=258334/match=300180948/index.html
スタメンにフェルナンド・バレラ背番号3の名前がある。

こんなに堂々と???

では、
その問題の3/24の試合に戻ってみよう。

ギニア vs カーボベルデの組み合わせだ。

この試合も変なのだ。

4-3でギニアが勝ったはずなのだが(アフリカサッカー協会のページではそう)
FIFAのスタッツでは0-3でカーボベルデの勝利に修正されている。
http://www.fifa.com/worldcup/preliminaries/africa/matches/round=258334/match=300181915/index.html

すると上の方に“Match forfeited”と書いてある。
「没収試合」だ。

そして通常だったらイエローカードやレッドカードの履歴もここに載っているのだがそれが無い。
没収試合だからだろうか。


ここにツッコミどころがあった。

New York Timesの記事にはこうある
http://www.nytimes.com/2013/09/13/sports/soccer/cape-verde-disqualified-from-world-cup-playoffs.html?_r=0


Vasconcelos said Cape Verde was confident its disqualification would be overturned, adding, “Lots of people have phoned up to tell us we are right, that when a match is forfeited all the red and yellow cards are taken away.”
But a FIFA representative disagreed, citing Article 18 of the organization’s disciplinary code. Cape Verde has three days to appeal, but Monday’s draw will go ahead as planned.


Vasconcelosというのはカーボベルデの協会会長。
「没収試合のカードは取り消しになるべきだ」と彼は主張しているが、
FIFAは「規約上、今回の裁定に問題はない」と突っぱねた。という経緯のようだ。

そのFIFAが指摘している規約の18条4項を引用するとこうある。


18.4.
An expulsion automatically incurs suspension from the subsequent match,
even if imposed in a match that is later abandoned, annulled and/or forfeited.


つまり、退場処分に伴う出場停止はその後その試合が没収試合になったとしても処分は変わりませんよ、と。

ひじょーーーーーに明確に書いてある。

これは抗議の余地もない。

っていうか何で誰も気付かなかったの???

で、
そもそも、フェルナンドが出場停止になった試合がなぜ没収試合になったか?
について調べてみると、

ニュージーランドヘラルドの記事にこうある
http://www.nzherald.co.nz/soccer-football/news/article.cfm?c_id=86&objectid=10900642


Equatorial Guinea must forfeit two World Cup qualifying matches with 3-0 default losses for fielding ineligible Spanish-born forward Emilio Nsue.
FIFA said Friday that its appeals panel rejected the Equatorial Guinea federation’s request to retain its 4-3 win against Cape Verde Islands in March, when Nsue scored three goals.
In addition, FIFA’s disciplinary committee has amended Cape Verde Islands’ 2-1 victory in June to a 3-0 win because Nsue played again.


ギニアはエミリオ・エンスエというスペイン生まれのプレイヤーが
規約違反だったので彼が出場していた2試合(どちらもギニアの勝利)が
3-0でカーボベルデの勝ちにひっくり返った、ということらしい。

ちなみに以下Wikipediaによると、その試合はエンスエの代表デビュー戦だったらしい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%A8

しかしちょっと気になるのが、


FIFA did not specify why the 23-year-old Nsue, a former Spain youth international who plays for Mallorca, should not have played.


FIFAは何故エンスエ、元スペインU-19, 20, 21の代表でありマジョルカに所属する彼が出場してはいけなかったのか、その理由を明らかにしていない。
ちなみに記事の後述にもあるが、FIFAの規定では、
親や祖父母がその領土で生まれた場合、
本人はその国の代表としてプレーする権利を有する
ことになっている。

なんとも煮え切らない。
本当に彼の肉親はギニア出身なのかどうか、、、?

正直そんなことはよくわからないが、
FIFAの今回の裁定に始まり、アフリカではこの手の話題が尽きない。

歴史上アフリカは複雑な事情の多い国だから、
確かに色々トラブルが起こってしまうことは納得がいく、

しかし、

なぜきちんとFIFAに確認を取ってから行動に移さないのか?

選手登録とか、出場停止とか、FIFAにきちんと照会してからやればいいじゃない。
みんないい大人なんだからさ。

エンスエの件も、実際彼の両親がうんぬん、先祖がうんぬんなんて知らないが、
ひょっとしたら現実問題ハッキリさせることが難しいのかもしれないが、
一旦FIFAにOKをもらっておけば、例えそれが事実と異なったとしても、
最悪のケース、没収試合は免れることができたんじゃないだろうか?

だってFIFAが一度はOKを出したのだから。


アフリカでこの手のトラブルが尽きない根本的な原因はそういう
『手続き』をきちんと取らないずさんな組織運営のせいなんだろうなぁ。

近年アフリカはヨーロッパからの指導者がナショナルチームを率いたり、
各選手がヨーロッパでプレーしたり、目覚ましい進化を遂げてきている。

と、言われて久しい。

が、しかし、現実には2000年のカメルーンのシドニー五輪での優勝を最初で最後に
国際大会でのタイトルはない。

そして、1990年代はカメルーンやナイジェリア、南アフリカ、そしてセネガル、2000年代に入りコートジボワールやガーナ、世界の強豪をたびたび脅かす存在がポッとアフリカから飛び出してくるが、それらはあまり長持ちせず、すぐに沈没してしまう。

ちなみにその『あまりあてにはならないFIFAランキング』を見ると
http://fifaranking.net/ranking/

カメルーンは2009年の11位を最後にズルズルと順位を落とし、今は51位。
http://fifaranking.net/nations/cmr/

南アフリカは1996年の16位以降順調に落とし続けて今は67位。
ブラジルW杯予選も早々に敗退している。
http://fifaranking.net/nations/zaf/

日韓W杯の開幕戦で前回優勝国であるフランスを破り世界を驚かせたセネガルは、
今や78位という体たらくだ。
http://fifaranking.net/nations/sen/

「アフリカの選手は飽き易い」

と誰かアフリカでの監督経験者が言っていたが、
ひょっとしてそれは協会関係者にも言える話??

継続的な若年層強化システムの構築とか、組織体制を整理したりとか、
そういう部分が欠けていることがアフリカの成長の妨げになっているように思える。

今度、以前NGOでアフリカにいた友人にそこんとこどうなのか聞いてみよう。