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[すぐできる] サッカー観戦でそれっぽいことを言う7つの方法
Categories: No Football No Life

サッカー観戦においてゴールシーンもしくは惜しいシーンだけで盛り上がるのは
まぁ言うまでもなく『ニワカ』だ。

サッカーは一試合の中でそう何点も入るゲームじゃないのだから
(↑バスケや野球ファンがよく言う『アンチサッカー』のセリフ)
真の楽しみはもっと別の深いところにあるのだということを忘れてはならない。

例えばプレミアリーグで有名なイングランドなどフットボールの歴史の長い国では、
試合中によく拍手が起こる。ゴールとは全く関係のないシーンでだ。
ゴールが入ったら当然耳をつんざくばかりの怒号が鳴り響くのだが、
拍手は「いやぁ〜シブい、良いプレーだった」という観客の評価の現れだ。
逆に消極的なプレーには自分が応援しているチームだとしてもヤジを飛ばす。

いわゆる『目が肥えている』というやつだ。

ここでは、
「確かにそういうのには憧れるんだけど知識もないし観戦歴も浅いから正直よくわからないし、
 的外れなことを言って周りからにらまれるのも怖いし。。。」
というひとのために、簡単な『目の付け所』および『コメントポイント』を例文付きでいくつか紹介しよう。

そんなに気張る必要はない。
「岡目八目」をいう日本の諺にあるとおり、
外から(テレビで)見ている人間の方が案外『的』を得たことが言えたりするものなのだ。

①サイドバックのポジショニングに着目する


例文:「後半は長友のポジションがかなり高い」
例文:「日本の左サイドの攻防がこの試合のキーだね」

それっぽい度:☆☆☆☆☆
難易度   :☆☆☆☆

フォーメーションが4-4-2対4-4-2の時に最もよく使える話法。

サイドバックは元々上り下がりが激しいポジションで、
正直簡単にはポジションの高さがどうのこうのなんてわからないw

なのでいくつかのポイントに注目すると良い。

①何回サイドバックが敵陣のコーナーフラッグまで行けたか
②片方のサイドバックが上がった時に逆のサイドバックがどこまで上がっているか
③一対一の勝率を数えてみよう

①はわかりやすい。コーナーフラッグのところまで行けるというのは
それはそっちのチームが優勢である証拠と言える。10分あたりに1回くらい行けてたらかなり優勢。
前半で1、2度程度しかないようだと正直不利。
②は積極性の証。片方のサイドが上がったら逆サイドは自粛するのが普通。
しかし勝負所と見たらガンガン行くのが優秀なサイドバック。
③は特にサイドバックは敵チームのドリブラーと一対一になるケースが多い。
まず一対一自体が多ければそこの結果次第でゴールが入ってしまう可能性も高いし、
その一対一で無双状態のサイドバックがいれば当然そちらのチームが有利になる。

②前線のプレッシャーの連動性にコメントする


例文:「ボールの取りどころがしっかりしてるな」
例文:「ラインが間延びしてるせいでプレッシャーがかかってねぇよ」

それっぽい度:☆☆☆☆
難易度   :☆☆

これは非常にコメントし易いポイントだ。
基本的には見るべきは2点だけ。
相手チームのディフェンスラインがボールを持っていてフォワードが取りに行くようなシーンで
その時に必ず『どちらかの方角からボールを追いかける』つまり大抵真っすぐ突っ込んではいかないのだ。
これを『ワンサイドカット』と言う。

さて、そうしてフォワードが右から追いかければ敵はパスコースのある左に蹴るわけで、
そうしたら今度は他の左にいる選手が次はボールを取りに行く。
これが連動性だ。
だから例えばフォワードが右からボールを追いかけて行ったとして、
その時に左サイドのミッドフィルダーがそれを感じて『次のボール』を取りに行っているかどうか。
それを見ていれば良い。

さらに少しレベルを上げると着目すべきポイントの2点目は
その連動が発生したときのディフェンスラインの深さを見ておくとより良いコメントができる。
なぜなら連動性が悪い時、それは大抵ラインが深過ぎるからだ。
デフェンスラインが深いということは、選手ひとりひとりの距離が遠いということ。
当然連動性は失われるし、1人目、2人目までは連動したとしても3人目、4人目が必ず出遅れるからだ。

③ピンチとチャンスでボランチがどこにいたか確認する


例文:「今の遠藤がかなり長いを距離を走ってたぜ」
例文:「今日はボランチのバランスが悪いな」

それっぽい度:☆☆☆☆☆
難易度   :☆☆☆☆☆

シュートした選手やボールばかりを見ていると確実に見落とすポイントなので使いこなしは難しい。
しかしこのコメントができるようになればかなり『玄人風』だ。

まずは攻撃の時、良い攻撃ができているかどうかの基準のひとつとして
「シュートまでいったシーンで何人ペナルティエリアに入っていたか?」が挙げられる。
4人だったら非常に良い攻撃、3人だったらまぁまぁチャンス、2人はチャンス薄、
もし1人しかいなかったとしたらかなり薄い攻撃なので辛口コメントするべきだ。

さて、4人のケースの話をすると、
仮にフォーメーションが4-2-3-1で左サイドからの攻撃だったとすると
大抵の場合でまず一人目はワントップのフォワード、二人目はトップ下、
三人目が逆サイドつまりこの場合は右サイドのミッドフィルダーだとする。
さて、四人目は?

これは当然ボランチが妥当だ。

つまりボランチがペナルティエリアの中まで入ってくるようだと『かなり良い攻撃』と言って良い。
しかしそのためにはボランチはかなり長い距離を走ることになる。
ボールに関わったかどうかなんかは二の次だ。
もしボランチがペナルティエリアまで走ってきてたらすかさず誉めよう。

よくわからなかったら「今の長谷部の上がりが釣りの動きになってたな」とか言っておこう。

今度は逆にディフェンスのシーンを考えよう。
遅攻(相手がゆっくりボールを回して攻めてくる時)では
ほとんどの場合でボランチはしっかりディフェンスしていると思うが
速攻を食らった場合のボランチの位置には注目だ。

速攻を食らうと『センターバックがサイドに吊り出される』ことが多い。
本来センターバックは何があろうと真ん中に張り付いているべきなのだが、
ディフェンスが手薄な場合は仕方なくサイドに出ていかなければならないときがある。
しかしこれは中央(ゴール付近)を守るべき人がいなくなった、ということなのでハッキリ言ってピンチだ。

さて、ピンチでどのような行動を取るかでボランチの選手の真価が問われると言っても過言ではない。
こういうときは外に出てったセンターバックと相手のサイドのプレイヤーの攻防はどうでもいいので
すかさず中央でのボランチと相手フォワードの位置取りを確認しよう。

ボランチの一人が完全にディフェンスラインに戻り、センターバックの位置をカバーしていて、
もう一人が相手のトップ下の選手と並走していたら完璧だ。
その陣形の素晴らしさを誉め称えよう。きっと今日は無失点だ。

ボランチの一人がトップ下やフォワードの選手と競り合っていて、
もう一人はまだ戻れていなくて画面の外、というのが大抵の場合だと思う。まぁ仕方ない。ノーコメント。
あまりに続くようだったら「今日ボランチ運動量少なくね?」とボソッと言ってみよう。

ボランチのどちらもディフェンスに戻れていなかったら、すかさず酷評しよう。

④中盤のポジションチェンジについて言及する


例文:「後半になってポジションチェンジが増えてきた」
例文:「前線に流動性がねぇよ」
例文:「お、マッチアップ変えてきたな」

それっぽい度:☆☆☆☆☆
難易度   :☆☆☆

試合を一生懸命見過ぎるとついつい気にしなくなってしまうポイントだが、
フォーメーションが『4-4-2のボックス』などでない限り
中盤は基本的に『右MF』『左MF』という役割分担がある。
しかしこれを試合の流れの中で柔軟に入れ替えていくのが熟練の戦術たるものだ。

例えば①で言ったようにサイドでは一対一のシーンが多い。
一対一はずっと同じ相手とやっているとどんどんディフェンスが有利になる。相手のクセが分かるからだ。
しかし相手がころころ変わるとディフェンスはリズムを崩される。
特に左利きと右利きの選手がいるとしたらそれが入れ替わるだけでディフェンスは相当混乱する。
パサーとドリブラーなんかでもそうだろう。
逆に選手のポジションチェンジが少ないチームは怖くない。断言しても良い。

フォーメーションをきっちり覚えていればきっと『入れ替わり』に気付けるはずだ。

⑤ペナルティエリア近辺でのプレーについてヤジを飛ばす


例文:「そこでミドル打たないようじゃディフェンスは守り易いよな」
例文:「もっと単純なクロスもあっていいと思うんだけど」

それっぽい度:☆☆☆
難易度   :☆

基本的には例文に尽きる。
『確実に点を取りたい』と思えば思うほど慎重=消極的になってしまうのが心理だ。
積極性が欠けていて雰囲気が悪い時にはきっと例文のどちらかに当てはまっていると思う。

⑥最終ラインの一見なんでもないプレーを誉める


例文:「あそこで内田が遅らせたおかげでディフェンスラインが整った」

それっぽい度:☆☆☆
難易度   :☆☆

具体的にはボールを取りに行かなかったプレーを評価する。

これは実はほとんどのシーンで当てはまるので使いこなしは簡単だ。
逆にサッカーが多少わかっている人間はほとんどが『押さえているポイント』だ。
基本だと言える。

理由について少し解説すると、

ディフェンスの基本は『多対一』に追い込むことだ。数人でひとりを囲み込んで取る。
一対一での勝負は確かに盛り上がるが、それって勝率はどのくらいだろうか?
ディフェンスの勝率に対する考え方は極めて堅実でなければならない。
つまりディフェンスにとって『無敗』以外は基本的に負けに等しいのだ。
なので一対一で一か八かのギャンブルを繰り返すのはあまりよろしくない。

そしてディフェンスの人数について考えると、
例えば味方のフォワードがディフェンスまで戻るケースって試合状況次第でたびたびあると思う。
しかし敵のセンターバックが攻め込んでくることは試合中にそう何度もない。
大抵はセットプレーで上がったのが上がりっ放しになっているケースくらいだろう。
フォワードがディフェンスに戻ることにはなんらリスクは無いが、
センターバックが攻め込むことはそのあとカウンターを食らったときのリスクが大きい。
つまりグラウンドにいる選手の数自体は11対11でも、
実際のところディフェンスは『ほとんどの場合で数的優位になれるはず』なのだ。

でもたびたびディフェンスの陣形は崩れてしまう。
そのときに必要なのが『ディレイ』だ。
時間を稼いでその間にディフェンスを整える。
そうすればディフェンス側は基本的に数的優位なわけだから、そう簡単にはやられない。

しかしフォワードも当然それをわかっているので早めの勝負を仕掛けようとする。
それを付かず離れずのバランスでうまく牽制し時間を稼ぐのは
やはりいぶし銀のファインプレーなのだ。拍手。

⑦GKがパンチングした判断を誉める


例文:「いやぁあれはキャッチにいかなくて正解だよ」
例文:「ちょっとブレてたね」

それっぽい度:☆☆☆☆
難易度   :☆☆☆☆

シュートした選手のことをある程度知っていないといけないので難易度は高め。

2010年の南アフリカW杯以降、公式球は比較的『ブレ球』が蹴り易いものになっているという。
ブレ球はフリーキックなど狙い澄まして蹴れるシーンでは
意識してブレるように蹴る選手も、本田圭祐やクリスティアーノロナウドを含め何人かいるが、
シュート力がある選手だったら普通に蹴ったつもりが偶然ブレ球になることも少なくない。

カーブするボールを巻いて蹴る選手やグラウンダーで転がすシュートを打つ選手にはブレ球が発生する可能性は低いが、
ちょっと遠目の距離からミドルシュートを打つ選手はよく見るとたまにブレていることがある。

例えばGK真っ正面のミドルシュートなどは普通キーパーにキャッチしてもらいたいものだ。
しかし、ブレ球相手にそれをやるとかなりリスクがある。
弾いてそのまま入ってしまうかもしれないし、こぼしたボールを詰められるかもしれない。

先ほど『ディフェンスの勝率』に関する考え方を書いたが、これはGKも同じだ。
『無敗』でいるためには小さなリスクも見落としてはいけない。

「あ、これひょっとしてブレるかも」

と思ったらキャッチにはいかず割り切ってパンチングするのが正解なのだ。
当然優秀なGKは「誰がブレ球を蹴る可能性があるか」を頭の中に入れている。
大したことなさそうなシュートをGKが『きっぱりと』パンチングしたときはそういう時だ。

パンチングして「あれ?キャッチできないの?」という微妙な空気が流れたらすかさず言おう。
「いや、あいつ時々ブレ球蹴るからね。賢明だよ」


以上をマスターするだけでかなり『それっぽく』コメントできるはずだ。

そして、気付いていないかもしれないが、
これらをマスターすることで実は観戦レベルもかなり上がっている。
サッカーの本質に近づくための知識がちょっとついたはずだ。

これを読んだひとが充実のサッカー観戦ライフが送れることを祈って。